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新品種の開発と品種登録の手順

候補海苔株の収集・育成 新品種開発のためには、野生種の収集、栽培品種からの選抜育種、交雑育種などにより、特徴のある海苔株を収集・育成しておく必要があります。
開発会議 開発会議では、海苔の生長性、色調性、旨味性、耐病性、水温耐性など生産者や消費者のニーズ、市場性などを検討して、開発する海苔の特性を決定します。そして、養殖漁場の特徴を把握の上、準備した候補海苔株の中から、優良株候補の選定を行います。また、開発に際しての、開発工程や作業分担などの具体的な取り決めを行います。 開発会議
室内培養試験 室内培養試験では、開発する株のフリー糸状体および、葉状体の培養を行い、「葉形、葉色、塩分・水温適応性、耐病性など」を対照株と比較し、開発する株の特性評価や選択を行います。
①種苗研究室の全景
海苔増殖振興会では、W3.6×D2.7×H2.4mの培養室(恒温室)で、既存株や野生株など多数保存しました。これらの株は品種開発の礎になります。
②培養室の様子
培養室には、約300種の株を保存しました。
③フリー糸状体の培養
開発した株と対照株のフリー糸状体の比較です。左が開発株で対照株に比べて色が黒いのが特徴です。
④葉状体の培養
培養室のフラスコ内で葉状体を培養します。この室内培養実験で葉形、葉色、塩分・水温適応性、耐病性などへの特性を調べます。
室内培養試験
野外栽培試験 室内培養試験で開発する特性に適合した株について、実際の海苔養殖漁場で栽培試験を行います。写真1は養殖漁場での開発株と対照株の網張の状況です。写真2は開発株の葉齢39日目の葉体です。
この栽培試験によって、海域の特性に応じた優良株の選定を行うとともに、室内試験で結果が良くても野外栽培では不適な株を除去したりします。優良株については、形質発現に適した育成方法・管理方法・摘採方法・加工方法などについても検討します。
網張の状況
写真1/網張の状況
葉齢39日目の葉体
写真2/葉齢39日目の葉体
製品成分分析・評価 野外栽培した海苔葉体の各種アミノ酸量等を分析し、色調・旨味成分等の特性を評価します。
市場品質評価 野外栽培試験により収穫された原藻から乾海苔の試作を行い、市場等における品質評価を行います。評価は、「色、ツヤ、香り、食味等」を対照株と比較・検討します。品質評価の方法として、専門家による等級検査や食味検査、また旨味成分の分析などを実施しています。 食味検査試料
食味検査試料
食味検査の様子
食味検査の様子
品種特性データ解析・評価 室内試験及び野外試験などの結果を踏まえて、品種登録に向けて重要形質などの特性、出願品種を区別するために役立つと思われる追加的形質などのデータ解析・整備を行います。 品種特性データ解析・評価
データ解析の様子
品種登録申請・登録 農林水産省に品種登録に必要な書類を整備し、登録申請を行います。
<関連ページ>
農林水産省品種登録ホームページ
http://www.hinsyu.maff.go.jp/act/seido.html
品種の普及と品種の特性による生産安定及び品質向上への貢献    

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