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産地を追って no.2 新のり養殖始まる

【平成23年10月20日掲載】

1 新のり養殖は北方から

全国の産地で新のり養殖の季節を迎えました。のりが育ち易い海水温度は、23℃から12℃程度と言われています。のり種をのり網に付着させる作業を採苗(さいびょう)と言います。その作業が野外採苗主体の九州有明地区等を除き、9月末までに全国でほぼ終わったところです。

その作業方法は前回紹介しましたが、幅約2メートル、直径約2~3メートルの大きな鉄輪(通称:水車と言います)にのり網(約1.8メートル、長さ18メートル)を巻きつけ、水槽(横約3メートル、長さ約4メートル、深さ約50センチ)の底にのりの種(糸状体)が被いつくして黒くなったかき殻を敷き詰め、海水を入れてのり種が海水中に飛び出したところを、のり網に付着させてのり養殖の種網を作る「陸上採苗」作業です。

東京湾、伊勢湾、瀬戸内海地区でもほとんど「陸上採苗」が行われていますが、「陸上採苗」でのり種を付着させたのり網を一時冷蔵庫に入れて保管しておき、海水温度がのり養殖に適した温度(23℃以下)になる10月上旬過ぎ頃からのり網を海上に張り込む作業が行われます。そのため、海水温度の下がり具合が早い東日本地区が先に始まります。

もう一つの採苗方法である、海中に直接のり網を張り込み、のり種のかき殻を海苔網に取り付けて、海中でのり種を放出させてのり網に種付けをする「野外採苗」も海水温度が23℃以下になっていることが必要ですから、ほとんどを野外採苗で種網作りをしている九州の主力産地の有明海では、10月中旬から野外採苗を始めています。

また、採苗の時期は気象、海況の地域差によって多少異なりますが、10月下旬までには全国ののり産地の海域にはのり網が広がり、その様子は冬の風物詩としてニュースになることがあります。

ところで、今年度の生産状況を見ますと、いままでとは違ったことが気になります。それは、東日本大震災により壊滅的な被害を受けた、宮城県の今漁期(平成23年10月から平成24年4月頃まで)の生産状態です。

2 “めげない”宮城県のり漁家

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